2025年04月24日

古文の敬語

 古文の敬語、難しいですよね。敬語自体は2年の『枕草子』などで扱ってはいるんですが、3年になって入試向けにキッチリやらされるようになると、あらためてその難しさにパニックになって焦ってしまう生徒さんもいるんですよね。

 実際、同じ「敬語」といってもその習慣や感覚は現代のそれとは異なっている部分がありますし、特に謙譲語の考え方はかなり違うんですよね。「謙譲語」という呼び名自体がふさわしくないんじゃないかというくらいに。だから現代の感覚で解釈しようとするとおかしな感じがするので、別物だと思って扱いましょう。これは私が敬語を教える時に最初に話すことです。

 また、口語(現代語)の敬語は一応中学で学んではいますが、現実に高校までの学校・家庭生活の中で敬語がキッチリ使える必要はほぼありませんし、バイトをしたとしても高校生が任される場面での応対の文言なんてマニュアルで決まった文言の暗記なので、敬語を応用できているとは言えません。

 そんな口語の敬語すらままならない高校生が、上下身分がキッチリ決まっていた時代で、しかも敬語の考え方自体も現代と異なっていた古代の敬語をマスターするのはかなりハードルが高いんですよ。そういうものを扱うにはまず理論の部分をキッチリ理解して、その先は便覧の写真などを見て当時の生活を想像したり、文脈から人間関係を把握したり、そうした丁寧な読解を通して身につけるしかないんです。結局慣れですね。

 まあ敬語に限らず、古文に限らず、英語も含めて語学というのは最終的に「慣れ」の勝負になります。そのために最も大事なのは、早く始めること、これが全てです。  


Posted by 家庭教師ロクスケ at 14:45Comments(0)国語